バスに乗った話
こんばんわ
私が高校生くらいの時のことである。暇を持て余していた私は本を探しに行こうと自宅から自転車で30分ほどのゲオに行くことにした。 普段は自転車で移動しているが、生憎その日は朝から小雨が降っており、天気予報では午後から本降りになるとキャスターがよく通る声で伝えていた。そのためバスで本屋に向かったのである。 到着して本棚の前に並ぶ暇人どもを眺めながら、私は時折マンガを立ち読みしている人々が次に手を伸ばすであろう本を颯爽とカゴに放り込んでいった。
そして森見登美彦さんの布教用に夜は短し歩けよ乙女を2冊購入し、カゴに入っていた余計なマンガは棚に戻した。
学生に出来る贅沢な時間の使い方だと思う。 中古の本屋に集まる人々から漂う多種多様な匂い、オーラは何とも言えない独特の空間を作っている。溶け込みたくはないが安心感のあるあの空気をなんなのだろうか。 勝った帰りに気まずい別れ方をした元カノと鉢合わせして憂鬱な気分になった。 ぼけっとイヤホンでチャットモンチーの世界が終わる夜にを聴いていると何やら隣りのおばさんが喋りかけてくるのが視界に移った。
イヤホンを外してみると おばさん『き、き、綺麗な足!』 全身から汗が吹き出したのを感じた。 コイツはやべぇヤツと本能で分かる。 外したイヤホンを秒で付けて隅っこに移動した。 付いてきたおばさん『良い足』
ふくらはぎに手を掛けられたのが視界に映った。 感じた事のない恐怖が全身を包むのが分かると 同時に痴漢してきたのがドドリアさんであるのが悔やまれる。 これが石田ゆりこだったら終点まででも乗っていたであろうことは男性の皆さんは分かる筈だ。 その希望をとんでもない絶望と屈辱と恐怖に陥れたおばさんは万死に値する。 駆逐してやる 今後の人生で痴漢されてる人を見たら助けようと思った。多分今同じ事態になったらバスから蹴り出せるだろう。 以上